医師国家試験

医師の仕事を詳しく知りたい

医師の仕事内容は、御存知の通り「お医者さん」であり、大部分の医療行為を独占業務とする国家資格です。
医師の仕事を大きく分けるとすれば、「臨床医学」と「基礎医学」の2つがあります。

臨床医学は実際に患者に接して医療行為を行い、基礎医学は病気の原因・治療法についての研究を行います。
臨床医には勤務医と自ら独立する開業医がおり、また、基礎医学を行う研究医は一般的には大学病院や研究所で勤務することになります。
それぞれ内科・外科などさらに専門に分かれます。
このように一口に「医師」といっても、その勤務形態も専門分野もさまざまです。

医者になるためには

医者になるには、まず大学の医学部に入学する必要がありますが、医学部に入るには国立私立問わず偏差値で60以上は必要です。
非常に難しいといえるでしょう。
医学部に独学で合格する人もいますが、難易度の高い医学部の試験突破のためには予備校の活用が必須といえるでしょう。

国公立の授業料は年間50万円程度で、総額でも一般の大学とそう大差はありません。
しかし、私立に関しては初年度で1000万円以上、6年間で総額3000万円を超えてくる大学も珍しくありません。
私立大学ではさらに寄付金と称したお金も必要になります。
普通の家庭では私立の医大に通うことは不可能に近いでしょう。

そのため、多くの人は国公立大学医学部を目指しますが、当然ながら難易度も競争率も非常に高くなります。
難易度の高い医学部合格を目指し、何年も浪人する人も珍しくありません。
社会人から一念発起し医師を目指す人もいて、医学部入学者の年齢層はさまざまです。

医師の就職先

医師としての進路は、大学病院などに勤務する勤務医か、自分で診療所を開業する開業医かに分かれます。
最近は高齢化社会ということもあり、開業医の中には介護を必要とする高齢者のための施設(特別養護老人ホーム、老健施設など)を開業する人もいます。
また、へき地医療や、開発途上国での医療支援に情熱を傾ける医師もいます。

最近では「病診連携」といって、大きな総合病院・大学病院と地域の診療所との連携が強く求められるようになってきています。
急性期の患者は高度先進医療を担う専門医が担当して早期に解決を図り、地域の開業医は住民に親しまれるホームドクターとして、
住民の健康管理に取り組み、入院の必要のない病気やケガの治療や、退院後の自宅療養のサポートなどを中心に行います。

医師の将来性についてですが、現在は医師不足ということもあり、医学部の入学定員を増やすという国の計画を打ち出されました。
大学の中には医学部を新設する動きもあります。
ですから、医師の数が将来的に増えることが考えられますが、安定した職業であることに変わりはないでしょう。

医師は、他の医療系の職種に比べると高い報酬が約束されていますが、とくに勤務医の場合は少ない人数で夜勤にも対応する激務、医療ミスの防止や患者・家族のクレームへの対応といった重責にさらされ、決して楽な仕事とは言えません。
強い使命感と、高度な専門性を常に要求されています。