測量士

測量士の仕事とは?

建物を建てるときのまずするべきことは、土地の形や広さなどを正確に測定し、データを取ることです。
このデータが建築の基礎となりますので測定した数値が間違っていると、建物が設計図通りに建たなくなり、危険性の高い建築物になったり、工事が中断したりするなど多大な影響が出ます。

この建築前の測定データを正確に計るのが、測量士の仕事です。
土地の形状、端から端までの距離、広さなどを測り、あらゆる建築物の基礎となるデータを提供しています。
このほか、建築中の建物の細部を測定して、設計図にのっとった工事が滞りなくすすむように、チェックを行うのも測量士の大切な業務です。

測量士になるには?

測量士はこのような大切なデータを作成する仕事であるため、国家資格となっています。
測量士になるためには、次の5つの条件のうち、どれか1つを満たす必要があります。

(1)政府が認定した測量に関する科目のある大学を卒業し、測量の仕事を3年以上経験している人。

(2)政府が認定した短期大学、高等専門学校で、測量に関する必要な科目を履修して卒業し、測量の仕事を3年以上経験している人。

(3)測量士を養成する専門学校で、測量士補になるために必要な勉強を行い、測量の仕事を2年以上経験している人。

(4)測量士補の資格を取得しており、測量士を養成する専門学校で規定の知識と技能を学んだ人。

(5)測量士試験に合格した人。

これらのうち、1つの条件を満たしていれば、測量士の登録申請が行えます。
つまり、専門の学校で学んでいなくても、測量士試験に合格すれば測量士として登録することが可能なのです。
ただし試験は難易度が高く、合格率は15%以下となっています。

登録申請書は国土地理院に提出します。
申請書が審査に合格すれば、測量士として登録されます。
測量士になるために必要な知識は政府指定の学校で十分に学べますが、このほかにも計算力、地学、物理の知識があると仕事に役立ちます。

測量士の科目がある大学は?

測量士になる方法はいくつかありますが、確実な方法としては特定の大学で測量関連の科目を学習し卒業することが先決です。

測量の科目がある大学は、日本大学、関東学院大学、千葉工業大学、国士舘大学といった私立大学が中心です。
国立大学で取り扱っていることが少ないのですが新潟大学(社会基盤工業コース)では、測量に関する科目を学べます。

大学への進学料金をなるべく抑えて測量士になりたいという場合、新潟大学も進学先の候補として考えてもいいでしょう。ちなみに新潟大学に通う場合、駅前から遠いため利便性を考えるとキャンパス周辺にある学生マンションに住んで通うことをおすすめします。

測量士の就職先は?

測量士の就職先には建設コンサルタントや測量事務所、土木、また建設や不動産企業、地図の作成会社などがあります
また、国土地理院、国土交通省、農林水産省、各都道府県の土木課など、公務員として働いている人も少なくありません。

測量士の収入は?

測量士の収入は、一般の会社員とあまり変わらず、400万円前後と報告されています。

ただし、測量士以外の資格を取得すると、相乗効果で高い年収が狙えます。

たとえば、土地家屋調査士や行政書士といった資格を取得後独立して、年収1,000万円以上を手にしてている人もいるのです。

なぜなら、土地や家屋の調査を行う際には、測量と登記申請が必要だからです。
登記申請は測量士の資格では行えないため、申請資格のある土地家屋調査士の資格があれば、測量から登記までの全ての作業を1人で行えるため効率的です。

また、土地開発にはさまざまな許認可業務がついて回りますが、これらを業務は行政書士が代行します。
このため、行政書士の資格があれば、測量と許認可申請業務が同時に行えます。
高収入を目指す人は、このように資格を組み合わせた独立の道を検討されてはいかがでしょうか。