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はり師・きゅう師

気のめぐりを良くする鍼灸

東洋医学では、「気」が全身をめぐることで生命が維持され、「気」のめぐりが悪くなると病気になると考えています。
「気」のとどこおりや詰まりを調整する場所がツボ(経穴)であり、全身に300以上あると言われています。

はり師はツボを鍼(はり)で刺激し、きゅう師はもぐさを燃焼させてツボを温めることによって、人間が本来もっている自然治癒力を高め、病気を治療します。

灸(きゅう)には、いろいろな種類がありますが、一般的にはよもぎを原料とする「もぐさ」を患者の体のツボの上に載せて線香で火をつけ、熱によって刺激します。
鍼(はり)も灸(きゅう)も、副作用がほとんどない治療法であると言われています。
神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎(けいつい)ねんざ後遺症などの治療には健康保険が適用されます。

はり師・きゅう師になるには

伝統的な東洋医学の施術者であるはり師、きゅう師になるには、国家試験に合格して免許を取得する必要があります。
国家試験は別々におこなわれますが、同時に2つの試験を受ける場合は、本人の申請により、どちらか一方の共通科目の受験が免除されます。
そのため、両方の免許をあわせもつ人が多くなっています。

はり師・きゅう師になるためには、指定された養成施設(3年以上)を卒業し国家試験に合格することが必要です。
養成校には大学(4年)・短大(3年)・専門学校(3年)がありますが、ほとんどの人が専門学校を選択しているようです。

はり師・きゅう師の国家試験の合格率は以前は8割を超えていましたが、最近は7割程度となっています。
それでも、試験前にしっかりと対策しておけば、合格には問題のないレベルの試験といえます。

職場や年収について

高齢化社会ということもあって患者の大部分を占める高齢者の数が増えているので、急激に雇用が減るということは考えられませんが、近年ははり師・きゅう師の養成校が増加した影響で資格取得者が増加し、就職状況は厳しさもあります。

主な職場としては、鍼灸治療院や病院の整形外科、福祉施設、リハビリテーションセンターなどです。
また、最近では針きゅう学科のなかにスポーツトレーナーのコースが併設されているところも増えてきており、プロサッカーチームや野球チームのスポーツトレーナーを希望して資格を取る人も増えているようです。
ただし、こういった仕事は求人自体が少なく、ほとんどは人脈やコネで採用が決まることが多いのだとか。
更に、契約体系は1年契約などの短期間が基本となるので、よほど実力がないとこの道に進むのは難しいかもしれません。

収入については、鍼灸院に勤務する場合は、一般的なサラリーマンとさほどの違いはなく、初任給で10万後半〜20万円台前半程度です。

独立するために必要なこと

基本的にはり師・きゅう師で高給を取るためには、鍼灸院を独立開業してたくさんの患者さんの治療を行っていくことが必要です。
そういう意味では、自分の努力次第で高給も夢ではありませんが、独立して安定した収入を得るためには、技術だけではなく鍼灸院を経営していくための知識も勉強しなければいけません。

ただ鍼灸院を開業することをゴールとするのではなく、その先のことまでを考えて独立するための準備をしていきましょう。

そこでまず考えなければいけないのが、どのように患者さんを集めるのかという点です。
一番簡単な方法では、近隣のお店などに頼んで広告を貼ってもらったり、チラシをポスティングしたりというものがありますが、それだけで患者さんが来てくれるわけではありません。
それよりも、自分の鍼灸院のホームページを作成して、より多くの患者さんに知ってもらうという方法が効果的なのです。

その場合、もちろん自分でホームページを作成することもできますが、やはり素人では出来栄えにも限界がありますし、たくさんの患者さんに知ってもらうためのノウハウが必要です。
自分の鍼灸院の特徴などを前面に押し出すことで、どんな診療を行っているのかということも一目でわかるホームページというのが重要ですね。

一番大切なのは、たくさんの患者さんの体の不調を治して、より良い生活を提供することです。
よりよいホームページを制作して、一人でも多くの人に自分の鍼灸院を知ってもらうきっかけ作りを心がけていきましょう。