社会保険労務士

社会保険労務士とは

社会保険労務士とは社会保険労務士法に定義される資格者で、労働社会保険諸法令に基づく行政機関への提出書類の作成、申請書等の提出代行、年金や就業規則の相談、労務や社会保険に関するコンサルティングなどを行う専門家のことです。

労働保険・社会保険に関する法令が定めている申請書、届出書、報告書など約300種類以上の書類を作成し、行政機関への提出や手続きを代行します。

また、これらに関する調査や処分に対する主張・陳述の代行もします。
また、企業の経営改善や雇用の維持のために、国から様々な助成金や交付金が支給されますが、最新の情報をキャッチし、経営者に助言して申請の手続きの代行などを行うのも、社労士の重要な仕事のひとつです。

労務管理の側面では、従業員の採用から退職までの様々な問題についても経営者や人事担当者から相談を受け、アドバイスをします。
賃金や労働時間、休日などの定め方、昇進・配置転換などの方針、職場の安全衛生や健康管理、仕事に関する教育訓練の進め方などについて、労働法の基準に照らして指導や助言をします。
また、就業規則や給与体系、人事制度の企画立案や作成も請け負います。

社会保険労務士になるには

社会保険労務士になるには、社会保険労務士試験に合格し、全国社会保険労務士会連合会へ登録する必要があります。

受験資格は「大学の一般教養課程を修了した者、又は大学において62単位以上を修得済みの者」、「短大、高等専門学校を卒業した者」、「行政書士の資格を持つ者 」などで、その他にもいくつか受験資格があります。

試験科目は労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法で、マークシート方式で行われます。

社会保険労務士となった場合の進路は様々ですが、一般的に社会保険労務士の活躍の場は一般企業の人事・総務部勤務、金融機関勤務、社労士事務所勤務であり、また、少数ながら独立開業する人もいます。

働き方や年収について

社会保険労務士の特徴としては、他の難関国家資格に比べて企業勤務の割合が高いことです。
もちろん、社会保険労務士として独立も可能ですが、実質的な独占業務が限られているため、コンサルティングや年金相談といった付帯業務からの売上も見込む必要があります。
ですから、独立開業を目指すのであれば、同時にファイナンシャルプランナー資格などを取得することをお薦めします。

社会保険労務士の平均年収は400万円〜600万円程度ですが、前述の通り、多くの社会保険労務士は企業に勤務しているので、サラリーマンとしての給与に社会保険労務士としての資格手当が付くという場合がほとんどです。
独立した場合の年収は営業力によってピンキリですが、社会保険労務士の資格だけでは食べていくのが難しいかもしれません。

先程も言いましたがファイナンシャルプランナーなどの資格をあわせて取得して、年金アドバイザーのような形で開業するほうが良いでしょう。